高齢者は加齢によって体力が低下しているため、些細な体調不良から病気になりやすいです。特に、肺炎は高齢者がかかりやすい病気のひとつであり、発熱や咳など特有の症状も出にくいため、若い人と比較すると症状が重篤化しやすいと言えます。また、食事中の誤嚥から肺炎に至るケースも少なくありません。口腔内で繁殖した細菌が肺に侵入するのが高齢者に多い発症原因なので、口腔内の衛生管理に気を配るのが効果的な予防法です。

肺炎球菌やインフルエンザの予防接種も、肺炎予防の必須条件と言っても過言ではありません。体が弱っている高齢者は病気の進行が早く、自覚症状が出る頃には重篤化していることが多いので周囲の人が十分に注意することが重要です。

体の動きが遅くなり、手足が震えるパーキンソン病も高齢者ほど発症しやすい病気です。脳内物質のドーパミンが減ることで発症する病気ですが、ドーパミンは加齢によって次第に減ることから高齢者なら誰でも患う可能性があります。体が動かしにくくなる他、嗅覚の低下や大量の発汗、眠りが浅くなるなどの初期症状が特徴です。しかし、加齢による身体機能の低下や脳梗塞など、他の病気の症状と似ているので、パーキンソン病の有無を判断するには医療機関での検査が欠かせません。投薬治療が一般的な対処法ですが、個人の体質や病気の進み具合によって適した薬剤が異なるのも注意すべき点です。誤診を避けるためにも、神経内科の専門医を頼るのが賢明と言えるでしょう。